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Amazonで選ばれる商品は、検索結果の上位で買い物客と出会っている

Amazonの検索結果をオンラインの売場「デジタルシェルフ」として捉え、買い物客との接点を考えます。検索結果での並び方、購買データの活用、実店舗とのつながりから、まず確かめたい3つのことを整理します。

架空の人物・イメージ:スマートフォンで商品を見比べる買い物客の女性

出典・表現の見直し:2026年11月3日。冒頭の日付は初回公開日です。

1. 思い立ってから買うまでの時間を、短くしたい

5 co.(当時の表記:5 inc.)は、2021年12月23日、Wunderman Thompson Tokyo合同会社と共催ウェビナー「Covid19で変化した世界の買い物行動と未来の買い物行動」を開催しました。当社からは三宅昭大が登壇し、Amazon の売場で何が起きているかをお話ししました。本稿はその内容を、いまの読者向けに整理したものです。

図1|購入までの時間を短くしたいという期待

80%商品に着想を得てから購入までの時間をできるだけ短くしたい2021年の回答者の意向
出典:Wunderman Thompson Commerce「The Future Shopper 2021」、共催ウェビナー資料4枚目をもとに5 co.が再作図。購買に要した時間の実測値ではなく、回答者の意向です。

セミナーで共有した2021年の調査では、回答者の80%が「欲しいと思ってから買うまでの時間を、できるだけ短くしたい」と答えていました。欲しいと思ったその場で探し、その場で買う。この流れが広がるほど、買い物客が最初に目にする場所の重要度が増します。ただし、この回答だけから実際の比較時間や購入候補の変化までは分かりません。

この数値は2021年当時の国際調査です。日本の消費者全体や現在のAmazonユーザーの割合を示すものではありません。調査条件は末尾に記載しています。

2. 検索結果も、買い物客との接点になる

Amazon の検索結果は、買い物客が商品を見つける接点の一つです。ブランド名に加え、商品の種類を表す言葉、つまりカテゴリー(Amazon の商品分類)の言葉で探す場面にも目を向けます。

つまり、カテゴリーの言葉で検索すると、自社の商品と他社の商品が同じ画面に並びます。実店舗で、同じ売場に複数のブランドが並んでいるのと近い状態です。こうしたオンライン上の売場を、業界では「デジタルシェルフ」と呼びます。

3. 表示位置・クリック・購入を分けて確かめる

実店舗で目立つ位置に並ぶことが大切なのと同じように、オンラインでも並ぶ位置が大切です。検索結果のどこで見つかるかは、買い物客との接点を考えるうえで確かめたい項目です。自然検索と広告枠を分け、表示・クリック・購入をそれぞれ確認します。Amazon Adsの公式ガイドも、検索結果や商品詳細ページへの広告表示を説明しています。

だから 5 co. は、Amazon での売上を考えるとき、まず「カテゴリーの言葉で検索されたとき、自社の商品が上位に並んでいるか」を確かめます。広告は、単に知ってもらうための手段というだけでなく、売場の中で商品がどこに並ぶかを決める手段でもある、という見方です。

4. Amazon の購買データは、施策の精度を上げる

Amazon の広告では、Amazon が持つ購買情報をもとに、ターゲティング(広告を届ける相手の指定)ができます。たとえば、同じカテゴリーの商品を見たり買ったりしたことがある買い物客に、自社の商品を案内できます。これにより、他社のブランドを選んでいた買い物客に、自社の商品を比べてもらうきっかけをつくれます。

利用できるデータやターゲティングは、広告商品とプライバシー上の条件によって異なります。ブランドが個々の買い物客の閲覧・購入履歴を自由に取得できる、という意味ではありません。

5. オンラインの売場は、実店舗の買い物にもつながっている

セミナーでは、オンラインとオフライン(実店舗)を別々に考えないことの大切さも取り上げました。5 co.は、店頭での比較にも役立つ商品情報をオンラインで整えることを提案します。これは当社の提案であり、以下の64%・59%が店頭でのAmazonレビュー閲覧率や売上効果を示すものではありません。

調査のまとめでは、ブランドや小売業者に求められることとして、オンラインと実店舗のすべてのチャネルを、別々の部署の仕事ではなく、ひとつの全体を補い合う部分として扱うことが挙げられていました。

図2|オンラインと実店舗をつなぐ期待

オンラインとオフライン双方を展開するブランドで買い物をしたい64%デジタルと実店舗の各チャネルでつながりのある対応を求める59%棒の全幅=100%|2021年の回答
出典:Wunderman Thompson Commerce「The Future Shopper 2021」、共催ウェビナー資料14枚目をもとに5 co.が要約・再作図。別の設問の回答割合で、合計100%になる内訳ではありません。店頭でのAmazon閲覧率を示す数値でもありません。

この調査が示すのは、オンラインと実店舗をつなぐ体験への期待です。両者をつなぐことで売上がどれだけ増えるかという因果効果までは、この回答割合からは分かりません。

6. まず確かめたい3つのこと

商品情報・価格・在庫などを整える視点は、Amazon Adsの商品改善ガイドにも示されています。次の3つの問いは、そのガイドの転載ではなく、当社が売場を点検するために整理したものです。

図3|デジタルシェルフを点検する3つの問い

デジタルシェルフ3つの問い見つかるか検索結果で接点を持てているか比べられるか商品情報やレビューが判断に役立つか選べるか在庫・配送など購入条件が整っているか
デジタルシェルフ3つの問い(概念図)見つかるか検索結果で接点を持てているか比べられるか商品情報やレビューが判断に役立つか選べるか在庫・配送など購入条件が整っているか
5 co.による点検用の概念整理。枝は並列の点検項目です。順序・因果関係や数値の加減乗除を示さず、箱の面積は量を表しません。

最後に、デジタルシェルフを見直すときの出発点をまとめます。

  1. 自社の商品カテゴリーで、買い物客はどんな言葉で検索しているか
  2. その言葉で検索したとき、自社の商品は検索結果のどこに並んでいるか
  3. 商品詳細ページとレビューは、店頭で比べている買い物客にも伝わる内容になっているか

5 co. は、こうした点を一つずつ確かめながら、Amazon での売場づくりをご一緒しています。

検索結果を売場として読む視点は、Amazonの「棚」はどこにあるか——検索結果を売場として読むでも紹介しています。

図1・図2の調査条件

  • 調査名・実施主体:The Future Shopper 2021/Wunderman Thompson Commerce
  • 調査実施機関:Censuswide
  • 調査期間:2021年3月26日〜4月14日
  • 調査対象:月に1回以上オンラインで買い物をする消費者28,426人
  • 対象地域:日本を含む17カ国・地域

調査条件は、共催ウェビナー資料の70枚目に記載されています。上記人数は調査全体の対象者数で、各設問の有効回答数や国別の重み付けは元スライドには記載されていません。図は掲載割合をそのまま示し、人数への換算はしていません。2021年当時の意向を示す資料としてお読みください。

関連する共催ウェビナー

本稿のもとになったウェビナーは、日本と海外の消費者行動の変化と、ECマーケティング担当者が取るべき行動をテーマに開催しました。

  • 名称:Covid19で変化した世界の買い物行動と未来の買い物行動
  • 共催:Wunderman Thompson Tokyo合同会社、5 inc.(現在の表記:5 co.)
  • 日時:2021年12月23日(木)15:00〜16:00
  • 形式:オンライン(Zoom)、参加無料
  • 登壇者:細見裕之氏(Wunderman Thompson Tokyo)、三宅昭大(5 inc.)

開催概要と登壇者の紹介は、Wunderman Thompson Tokyoによる開催告知(PR TIMES、2021年12月6日公開)でご覧いただけます。

Wunderman Thompsonは現在どうなっているか

Wunderman Thompson(ワンダーマン トンプソン)は、VMLY&Rと統合し、2024年1月1日にVMLとして始動しました。WPPによる統合発表で、その経緯を確認できます。

VMLは、ブランド体験・顧客体験・コマースをつなぎ、データやマーケティング技術を生かして企業のブランド成長や変革を支援するグローバルなクリエイティブ企業です。VMLの日本公式ページでは「VML (formerly WT)」と案内されています。本稿の共催先名には、開催当時の社名を記載しています。

5 co. Lead Analyst/Head of Client Growth 三宅 昭大

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