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CPCのチキンレースに乗らない——プロは適正価格で仕入れる

人気のキーワードでクリック単価が上がり続けると、降りたら負けるような気がして入札を上げてしまいます。私は、その競り合いに乗らないことを運用の鉄則にしています。高く買って勝つのではなく、同じお客様に適正な価格で届く入口を探す。その考えを代表として書きます。

入札を上げるたびに、相手も上げてくる

広告コンソールを開くと、主力のキーワードのクリック単価(CPC)がまた上がっている。入札を下げれば、検索結果の上のほうの掲載枠を競合に取られ、売上が落ちる気がする。だから入札を少し上げる。翌週には競合も上げてきて、また同じことを繰り返す。

気づけば、そのキーワードのクリック単価は以前とは比べものにならない水準になっていて、広告費用対効果(ROAS)は下がり続けている。それでも「ここで降りたら負ける」という感覚が、入札を下げる手を止めます。

私は、こうした競り合いをチキンレースと呼び、乗らないことを運用の鉄則にしています。この記事は、私たちの社内で最近あったやりとりをもとに、その考えを代表として書いたものです。

ある会議で、私が伝えたこと

先日、社内の定例会議で、あるカテゴリーの主要なキーワードのクリック単価が、競り合いの末に大きく跳ね上がっていると報告がありました。

私はそこで、寿司屋の仕入れにたとえました。同じマグロでも、どこで、どう買うかで値段は大きく変わります。腕のいい寿司屋は市場に足を運び、相場を見きわめて、適正な価格で仕入れます。私たちの広告の買い方も、そうありたいと考えています。

広告も同じです。同じお客様に届くなら、高く買う必要はありません。過当な競り合いになっているキーワードには、一定の水準を超えたら入札しない。その場で、そうした線を引くことをチームと確認しました。

別の機会には、広告コンソールに表示される入札額の目安や、競合が払っていると思われる単価を、そのまま自分たちの入札に使わないようにも伝えています。目安は相場であって、自社にとっての正解ではありません。

適正価格で仕入れる3つの手

払える上限を先に決める競合ではなく自社の数字から入札額を一覧で並べる高すぎる入札を設定から見つける同じお客様に届く別の入口一つのキーワードで競り勝たない
払える上限を先に決める競合ではなく自社の数字から入札額を一覧で並べる高すぎる入札を設定から見つける同じお客様に届く別の入口一つのキーワードで競り勝たない
高く買って勝つのではなく、同じお客様に適正な価格で届く入口を探す。

適正価格で仕入れるために、私たちがしていること

チキンレースから降りるといっても、ただ入札を下げるわけではありません。私たちは次の3つを組み合わせています。

  1. 払える上限を先に決める — 商品の価格と利益、商品詳細ページのコンバージョン率から、1クリックにいくらまで払えるかを先に計算します。上限は、競合ではなく自社の数字から決めます。ACOS(広告費売上高比率=広告費 ÷ 広告経由の売上)の目標も、この上限と矛盾しないように置きます。
  2. 入札額を一覧で並べて見る — クリック単価の問題は、結果ではなく設定から見ます。キャンペーンごとの入札額を一覧に並べるだけで、上限を超えた高すぎる入札が見つかります。予算が高価格帯の商品に偏っていることも、設定を並べると見えてきます。その商品のキーワードでは競り合いが起きやすく、全体のクリック単価を押し上げていることがあります。
  3. 同じお客様に届く、別の入口を使う — 一つのキーワードで無理に競り勝とうとせず、関連するキーワード、商品ターゲティングでの商品詳細ページへの掲載、スポンサープロダクト広告以外の広告メニューなど、同じお客様に届く別の入口を探します。どこから、どう買うかを見直すだけで、同じお客様に届く単価が下がることもあります。

「降りたらシェアを失う」という声にも、理がある

公平のために書いておくと、チキンレースから降りることへの反論には、もっともなものがあります。

  • 降りれば、その掲載枠は競合のものになる — 検索結果の上位に出なくなれば、そのキーワードからの売上は確かに減ります。
  • 守るべきキーワードがある — 自社のブランド名で検索するお客様のように、競合に渡すと取り返しにくいキーワードもあります。
  • 短期の売上が落ちることもある — 降りた直後は、売上が下がって見える期間があり、その説明は簡単ではありません。

私も、すべてのキーワードから降りるべきだとは考えていません。大事なのは、守る価値のあるキーワードと、競りに付き合っているだけのキーワードを分けることです。前者には払える上限まで払い、後者からは降りて、浮いた予算を別の入口に回す。降りる基準は、競り合いの最中ではなく、事前に決めておきます。熱くなっている最中に下す判断は、たいてい高い買い物になるからです。

「うちもそうだ」と思った方へ

クリック単価が上がり続けているのに、入札を下げる判断ができない。そう感じているなら、一度その競り合いの外に出て、自社が払える上限と、同じお客様に届く別の入口を確かめてみてください。

入札と予算配分の見直しは、お問い合わせからご相談ください。

本記事について: 事例は当社の社内会議の記録をもとに、クライアント名・ブランド名・業種・金額を伏せて再構成しています。

5 co. 代表取締役CEO 若松武志

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