広告の華やかな仕事の裏にある、投資の理由を数字で説明する仕事
PRや動画への憧れで広告の仕事に入る人は多い。その裏側を支えるのは、なぜ投資し、どんなリターンを見込み、どう測るかを数字で説明する仕事です。それが次の予算と、自分のキャリアをつくります。
広告業界には、PRや動画制作への憧れから入ってくる人が多いです。華やかな面は、確かに仕事の一部です。ただし、その裏側を支えているのは、別の職能です。なぜここに投資するのか、どんなリターンを見込むのか、どう測るのかを、数字で説明する仕事です。
本稿は、キャリアの話に絞ります。予算配分の枠組みの名前は出しません。
説明できなければ、次の予算は来ない
ブランドオーナーは、宣伝予算を預ける相手に、投資の理由を求めます。説明できない会社に、企業は予算を預けません。
たとえばインフルエンサー施策に予算を預かっても、1回限りの打ち上げ花火で終われば、2回目の予算は来ません。「ただ使っただけ」になるからです。華やかさだけでは、続きません。
次の予算は、前回の投資がどんな意図で置かれ、何を測り、何が分かったか、を説明できたところに来ます。それができて初めて、施策は仕事として積み上がります。
上流から下流までを、まとめて見られる力
大手の広告会社には、メディアを計画する役割や、戦略を数字で組み立てる役割があります。宣伝の表側だけでなく、投資の筋を通す職能が組織に置かれている、ということです。
5 co.でも、チーム全体で、投資の理由を数字で説明する力を身につけてもらっています。個別のレポートを出すだけの会社より、上流から下流までの投資をまとめて見られる会社のほうが、ブランドオーナーから見て上位に立てます。
この力は、会社の立ち位置だけの話ではありません。担当者個人のキャリアの資産にもなります。華やかな施策を一度成功させることと、投資の理由を説明し続けられることでは、後者のほうが長く残ります。転職しても、次の席でも、求められるのは後者のほうです。
図1|華やかな面と、キャリアに残る面
| 華やかに見えやすい面 | キャリアに残る面 | |
|---|---|---|
| 例 | PR、動画、単発の話題づくり | 投資の理由・見込み・測り方の説明 |
| 続き方 | 1回で終わりやすい | 次の予算と次の席につながる |
| 問われること | 目立ったか | 説明できたか |
キャプション: 広告の仕事には両面がある。キャリアの資産になるのは、投資を数字で説明できる側です。
出典: 5 co.による点検用の概念整理。
注: 優劣の断罪ではありません。華やかな仕事を否定する図でもありません。
ブランドオーナーと、働く人の両方へ
ブランドオーナーには、施策の見た目だけでなく、投資の説明責任を持てる相手かを見てほしい、と伝えます。働く人には、憧れの入口の先に、数字で説明する職能があると知ってほしい、と伝えます。
5 co.が共通の考え方をチームに求める理由は、ここにあります。次の予算をつくる力が、会社と個人の両方に残るからです。
参考文献
- (本稿の主張は、5 co.の業務での考え方に基づく。外部の統計や業界ランキングは用いていない。)
5 co. 代表取締役CEO 若松武志
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