「問題なし」で終わらせ、時間は影響の大きいほうへ使う
調べて「問題ありませんでした」と分かることも、立派な成果です。ただし、そこに時間を使い続けることはしません。5 co. がリスクの確認に順番をつけ、目標への影響が大きいほうへ人と時間を寄せる理由を書きます。
調べて「問題ありませんでした」と分かることは、成果です。ただし、そこに時間を使い続けることはしません。5 co. が大事にしているのは、リスクを見つける力そのものより、見つけたリスクに順番をつけて、小さいほうから手を離す判断のほうです。空いた時間は、目標とのギャップを本当に動かすところへ回します。
「問題なし」は、空振りではありません
大きなセールの前には、売上を止めかねない要因をいくつも点検します。多くの点検は、何も起きていないという結果に終わります。
この結果を空振りだと受け取る必要はありません。確かめる前は、起きているかもしれないし、起きていないかもしれない状態でした。確かめたあとは、起きていないと分かった状態です。判断の材料が一つ増えています。調べて枝葉だと分かったこと自体は、良い仕事です。
報告してくれた人を責めることは、絶対にしません。責められると、次からは報告が上がらなくなります。上がってこないリスクは、会社から見えないリスクです。見つけて持ってくる行動は、いつでも歓迎します。
それでも、小さいと分かったところに時間は割きません
ここからが本題です。
点検の結果「影響は小さい」と分かったとき、次にすることは、その小さいものを完全につぶしにいくことではありません。手を離すことです。
理由は単純です。時間は有限だからです。一人の担当者が一日に使える時間も、セールまでに残された日数も決まっています。影響の小さいものに手をかけた分だけ、影響の大きいものに向かう時間が減ります。減った分は、どこかに現れます。たいてい、目標との差という形で現れます。
小さなリスクを細かくつぶしていくと、仕事をしている感触は強く残ります。一つずつ片づいていくからです。けれども、片づいた数と、目標に近づいた距離は別のものです。私たちが約束しているのは、前者ではなく後者です。
ですから、小さいと分かった時点で「確認したところ、問題ありませんでした」と書いて終えます。中途半端に気にし続けて、思い出すたびに少しずつ時間を使う。これがいちばん高くつきます。終わらせると決めることまでが、点検の仕事です。
点検のあと、時間はどこへ向かうか
順番は、好みではなく、目標への影響で決めます
では、何をもって大きい・小さいと決めるのか。基準は一つです。目標とのギャップに、どれだけ効くかです。
気になるかどうか、直しやすいかどうか、前から引っかかっていたかどうかでは決めません。それらは本人の中の順番であって、事業の中の順番ではありません。この二つは、しばしば食い違います。食い違ったときは、事業の中の順番を取ります。
この基準で見ると、同じ「リスクあり」でも扱いが分かれます。売上の中心を担っているものに起きそうな問題は、たとえ可能性が低くても先に見ます。全体への効き方が小さいものは、可能性が高くても後ろに回します。確からしさではなく、当たったときの大きさで並べる、ということです。
大きいものには、手数を増やします
手を離すのは、小さいと分かったものだけです。大きいものには、逆に手数を増やします。
全体を担う部分に危なさが見えたときは、点検の回数そのものを増やします。日に一度ではなく、セールの最中に時間帯ごとに見る、というところまで踏み込みます。ここで細かく見るのは、細かく見る価値があるからです。同じ細かさを全部に配ると、どこにも届きません。
粗く見るところと、細かく見るところ。この濃淡をつけることが、限られた人と時間で目標に届かせる方法です。すべてを同じ濃さで見るのは、丁寧なようでいて、実際には優先順位をつけることを放棄しています。
お見せするのは、点検した数ではありません
ご一緒しているブランドオーナーにお見せするのも、同じ考え方です。
点検した項目の数や、つぶしたリスクの件数を並べても、売上が動く理由にはなりません。お見せするのは、目標とのギャップに対して、いま何がいちばん効いているのか、そこに人と時間をどれだけ寄せているのか、という一本です。小さいと分かったものは「確認したところ、問題ありませんでした」の一行で済ませます。
確認は丁寧に、手を離すのは早く。5 co. は、この二つを同時にやります。時間を、影響の大きいほうへ使うためです。
5 co. 代表取締役CEO 若松武志
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